予備校の「600時間」を信じるな。働きながら法人税法を1年で突破する1,000時間逆算攻略法

簿記論・財務諸表論の合格、本当におめでとうございます。

会計科目の高い壁を乗り越えた今のあなたは、達成感と同時に「次はいよいよ税法か」という武者震いを感じているはずです。

しかし、事務所の所長から「実務をやるなら法人税だぞ」と背中を押される一方で、合格した先輩から「法人税は地獄を見る」「あんなの人間が覚える量じゃない」と脅され、不安で手が止まっていませんか?

「今の残業続きの生活で、本当にあの膨大なボリュームを攻略できるのか?」

そんなあなたの不安は、極めて正しいものです。

なぜなら、多くの予備校が掲げる「標準学習時間 600時間」という数字は、私たち社会人にとっては「半分正解で、半分嘘」だからです。

この記事では、働きながら合格を果たした私が、法人税法という「モンスター科目」を1年で仕留めるための、嘘偽りない「1,000時間逆算スケジュール」を公開します。

この記事を読み終える頃、あなたの不安は「これなら勝てる」という具体的な確信に変わっているはずです。


1. なぜ法人税法は「地獄」と呼ばれるのか?社会人が直面する3つの壁

まず、あなたがこれから戦う相手の正体を正確に知りましょう。

法人税法が他の科目と一線を画し、「地獄」と称されるのには明確な理由があります。

  1. 圧倒的な「条文数」と「ボリューム」
    法人税法は、所得税法と並ぶ「選択必修科目」ですが、その学習範囲は簿記論の比ではありません。理論サブノート(理サブ)の厚みを見ただけで、多くの受験生が戦意を喪失します。
  2. 1字1句の精度を求める「理論暗記」
    「意味がわかっていれば書ける」というレベルでは、法人税法の合格答案にはなりません。専門用語を正確に使い、条文の柱を立てる「精密な暗記」が求められます。
  3. 受験生レベルの高さ
    法人税法の受験会場にいるのは、あなたと同じように「簿財」を突破してきた猛者ばかりです。その中で上位12〜15%に入るには、ケアレスミス一つが命取りになる極限の精度が求められます。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 最初に理サブ(又は理マス)を開いた時の絶望感は、合格者全員が通った道です。

なぜなら、法人税法の理論は日常語とかけ離れた「法律用語の塊」だからです。私も最初は1ページ覚えるのに3日かかり、「自分には才能がない」と本気で悩みましたが、それは単に「脳が税法の回路になっていない」だけ。3ヶ月回し続ければ、必ず脳は適応します。この最初の「拒絶反応」で諦めないこと。それが最大の分岐点です。


2. 予備校の公称値 vs 合格者の実数値。1,000時間の内訳を徹底解剖

多くの予備校サイトには、法人税法の学習目安として「600時間」と記載されています。

しかし、これを鵜呑みにしてはいけません。

法人税法と学習時間の関係を整理すると、予備校の「600時間」はあくまで「講義を視聴し、基本的な個別問題を解けるようになるまで」の時間です。

そこから合格圏内に滑り込むための「理論の完全暗記」と「総合問題の精度向上」には、プラス400時間が不可欠です。


3. 忙しい社会人のための「聖域」確保術。1日3時間を捻出するタイムマネジメント

残業がある会計事務所職員にとって、まとまった勉強時間を確保するのは至難の業です。

しかし、1,000時間と社会人の生活を両立させるには、「机に向かう時間」の概念を捨てる必要があります。

合格者は、1日を以下のように「逆算」して使っています。

社会人受験生の「理想」と「現実的」な週間スケジュール例】

区分 平日の過ごし方 休日の過ごし方 週合計
理想(専念生) 8時間(机) 10時間(机) 60時間
現実(社会人) 3時間(隙間+夜) 8時間(机+隙間) 31時間

週30時間を確保できれば、年間(約33週)で約1,000時間に到達します。

ポイントは、平日の3時間を「朝1時間・隙間1時間・夜1時間」に分散させることです。


4. 理論は「机」で覚えない。隙間時間を最強の武器に変える「理論の日常化」戦略

ここで、社会人が勝つための唯一の戦術をお伝えします。

それは、理論暗記と隙間時間の完全な同期です。

「計算」は机に向かい、電卓を叩く必要があります。

しかし、「理論」は歩きながらでも、風呂に入りながらでもできます。

特に法人税法の計算の背骨となる別表四(所得の計算)と別表五(一)(利益剰余金の計算)の関係性などは、理論の背景を理解していれば、パズルを解くように頭の中で組み立てることが可能です。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 理論サブノートは「読むもの」ではなく「常に持ち歩くお守り」にしてください。

なぜなら、人間の脳は「一度に長時間」よりも「短時間を何度も」繰り返す方が記憶が定着しやすいからです。私は理サブを全ページスマホで撮影し、信号待ちの30秒、エレベーターの待ち時間、レンジで弁当を温める時間に1題ずつチェックしていました。この「15分×10回」の積み重ねが、机での3時間を凌駕します。


5. 【FAQ】法人税法学習の「よくある迷い」に答えます

Q. 所得税法と迷っています。どちらが難しいですか?

A. ボリュームは同等ですが、実務との親和性は法人税法が圧倒的です。会計事務所での実務経験が3年あるあなたなら、申告書作成の流れ(別表の繋がり)がイメージしやすいため、法人税法の方が学習効率が高いはずです。

 

Q. 独学でも合格できますか?

A. 正直に申し上げます。法人税法に関しては、予備校(TAC、大原、スタディング等)の利用を強く推奨します。法改正が激しく、計算の「解き方」にテクニックが必要なため、独学は遠回りになりすぎるリスクがあります。


まとめ: 「地獄」の先にある、税理士としての圧倒的な武器を手に入れよう

法人税法の1,000時間は、確かに楽な道ではありません。

しかし、この「モンスター」を仕留めた時、あなたの市場価値は劇的に跳ね上がります。

「法人税がわかる」ということは、企業の経営成績を税務の視点から完全に解剖できるということです。

それは、所長や先輩が言っていた「地獄」の先にしかない、税理士としての最強の武器になります。

まずは今日、予備校の資料を請求するか、理論サブノートを1冊注文してください。

そして、最初の1ページを「眺める」ことから始めてください。

その一歩が、1,000時間後の合格へと繋がっています。


[著者プロフィール]
元会計事務所勤務税理受験生
中堅会計事務所に勤務しながら、法人税法を含む主要科目にすべて合格。

働きながら合格を果たした経験から、社会人に特化した「逆算型学習法」を提唱している。

[参考文献リスト]

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